トークセッション「一次産業が直面する気候変動」レポート - 時事ドットコム


2022年3月28日

 【事後レポート】「一次産業が直面する気候変動」をテーマに生産者トークセッションを開催 岡山県のぶどう農家と福井県のサバ養殖漁業者が登壇、気候変動に関する生産者調査結果も当社より発表:時事ドットコム

調査では「約9割の生産者が、生産活動において気候変動の影響を感じている」という結果に 生産者と消費者をつなぐ国内最大級の産直アプリ「ポケットマルシェ(ポケマル)」を運営する株式会社ポケットマルシェ(本社:岩手県花巻市、代表取締役:高橋 博之、以下「当社」)は、2022年3月8日(火)に、生産者2名と当社代表高橋による「一次産業が直面する気候変動」をテーマとしたトークセッションを開催しました。同時に、生産者531名から回答を得た、気候変動に関する調査結果を当社より発表しました。

 

【トークセッション「一次産業が直面する気候変動」の内容】
ぶどう農家の林慎悟さん(岡山県岡山市・林ぶどう研究所)、サバの養殖を営む横山拓也さん(福井県小浜市・田烏水産株式会社)に登壇いただき、「一次産業が直面する気候変動」をテーマにトークセッションを実施しました。当社代表高橋がモデレーターを務め、自然環境の変化が生産に及ぼす影響や、必要な取り組みをお聞きしました。

<自然環境の変化による生産現場への影響>
写真のぶどうは、本来紫色になるはずなのに、高温の影響で着色が進んでいない。

特に4~5年前からこのような症状が増えており、明らかに生産技術が高い生産者の農園でも見られるようになっている。

<自然環境の変化に対する取り組み>
今まで栽培されてきた品種が現在の自然環境に合わないものになってきているので、新しい品種を作り、生産現場にあてがっていかなければならない。そうすることで、生産者は安定的に生産して収入を得ることができ、その結果、消費者の食卓へ継続的に食べものを届けることができる。

そのような考えに基づき、農業を始めた当初から品種改良を進めている。生産物が画一的になってしまうと、環境が変化する中で激減してしまう可能性がある。多様性があれば、ある品種がだめになってしまっても、他の品種が生き残るかもしれない。品種をいくつか作ってリスク分散を行うべきであると、私は生産者や消費者に常々伝えている。

ただ、品種改良によって生産現場を下支えしただけでは、気候変動にまつわる農業の問題が消費者まで浸透しないと感じている。生産現場と消費者との間に距離がある上に、農業は興味があってもなかなか入りづらい業界であると感じている。このような考えから、「おかやま葡萄酒園」という新しい事業を2021年に立ち上げた。耕作放棄地にワイン用のぶどうを植えるところから、その管理までを農業やワインに興味のある一般の方に担っていただく取り組みで、自分が苗木から育てたぶどうで「マイワイン」を作ることができる。自分ごととして生産過程に関わる体験を通じて、農業の大変さやその中にある楽しさ、さらには自然環境の変化までをも体感してもらい、生産者と消費者の距離を縮めたい。